「遠いご先祖が怒っている」と言われた日。こんな霊視の占い師には気をつけてほしい|占い日記 #8

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夕暮れの京都の路地を一人で歩く男性の後ろ姿の水彩画風イラスト

前回は、30代のころにメールだけでやり取りをした霊能者の話を書きました。
何年も治らなかった首の痛みが、いつのまにか消えていた話です。

▶ 何年も治らなかった首の痛みが消えた。メールだけの霊能者に言われた「風船と線香」の供養|占い日記 #7

その前の回で、霊視の占い師には注意が必要だと書きました。
今回は、その話です。

話は少し前後します。
妻の状態が、よくなかったころのことです。

目次

ストールさんが、いなくなった

視点を変えてみること。
ストールさんにそう言われてから、私はもう一度話を聞いてもらおうと思っていました。

▶ 「視点を変えてみること」霊視の占い師に、妻の気持ちを聞きに行った日|占い日記 #6

ある日、いつものように占いの館のサイトを開きました。
予約をしようと、占い師の一覧を見ていきます。
……ストールさんの名前が、出てきません。
何度見直しても、ありませんでした。
占いの館を、やめてしまったのです。

驚いた、というのとは少し違います。
なんとなく、いなくなるような気がしていました。
目の前にいるのに、どこか別の世界を見ているような人です。
ある日ふっと消えてしまっても、不思議ではない。
ストールさんは、そういう人でした。

それでも、頼れる先が一つなくなったことに変わりはありません。
画面を閉じて、しばらくぼんやりしていたと思います。

もっと見える人は、いないのか

そのころの妻は、日中のほとんどを横になって過ごしていました。
話しかけても、返事は短いまま。
完全に自分の殻に閉じこもっているのが、見た目にもわかる状態でした。

妻が何を考えているのか、知りたい。
カードの占いでは、気持ちまではわからない。
霊視なら、見えるかもしれない。
もっと見える人は、いないのか。

私は、霊視で占う人を探し回りました。
河原町だけではありません。
京都のあちこちに足を運びました。
夜、妻が眠ったあとに、次に会う占い師をネットで探す。
そんな日が続きました。

それは、数か月に及んだと思います。
会った占い師は、6、7人といったところでしょうか。
1回が4,000円ほど。
一つひとつは払えない額ではありませんが、積み重なると、結構な額になりました。

結果から言うと、信頼できる占い師には出会えませんでした。

何が信頼できなかったのか。
よく考えると、言っていることが変なのです。

「遠いご先祖が、怒っています」

ある女性の占い師のときのことです。

予約の時間になっても、なかなか呼ばれませんでした。
前の人の鑑定が、時間をオーバーしていたようです。
しばらく待って、ようやく席に通されました。

始まったのは、予約の時間よりずいぶん遅れてから。
それなのに、その占い師は、ひと言も謝りませんでした。
「お待たせしました」もなし。
何事もなかったように、鑑定が始まりました。
このことは、今でもよく覚えています。

その占い師は、私の話をひととおり聞くと、こう言いました。

「遠い昔のご先祖が、怒っています」
「それがずっと続いていて、奥さんに影響しているんです」

ご先祖、ですか。
妻のことを相談に来たのに、話がずいぶん遠くまで飛んでいきました。

そして、こう続けます。

「ここで、一緒に謝りましょう」

……。
その場は、とりあえず話を合わせました。
でも、早い段階で、この人は違うと思いました。

考えてみてください。
遠い昔のご先祖です。
もう、とっくに生まれ変わっていると思うのです。
まあ、輪廻転生というものがあれば、の話ですが。
その人たちが、今も怒っていて、私の妻に影響している。
どう考えても、変です。

それに、何代にもわたって怒り続けるほどのことなら、ここで少し謝ったくらいで解決するとは思えません。
謝って済む話なら、とっくに誰かが謝っているはずです。

「家に、無数の霊がいます」

河原町で会った、別の占い師には、こう言われました。

「お宅には、無数の霊がいます」

無数、です。
家に帰って、リビングを見回しました。
いつもの部屋です。
妻が横になっていて、テレビの音が小さく聞こえている。
それだけでした。

霊が家にいる。
それ自体は、おかしくはないのかもしれません。
どこの家にだって、いるのかもしれない。
でも、それが妻の状態の原因だとは、どうしても思えませんでした。

先祖の因縁。
前世の何か。
家にいる霊。
会ってみてわかったのですが、こういう話を出してくる占い師は、意外と多いのです。

こういう人たちは、決まって「よくなりますよ」と言います。
でも、よくはなりませんでした。
妻の状態は、変わらないままでした。

よくなると言っておいて、解決に至っていない。
それが、本物ではない証拠だと私は思っています。

思い返すと、ストールさんは一度も「よくなる」とは言いませんでした。
見えないものは、見えないと言う。
そのかわりに、視点を変えてみなさい、と宿題をくれる。
今思えば、あれが誠実さだったのでしょう。

こんな霊視の占い師には、気をつけてほしい

朝の光の中、ノートとお茶のそばに置いた手元の水彩画風イラスト

あくまでも、私の考えです。

気をつけてほしいのは、先祖の因縁や、前世の何かを、真っ先に出してくる人です。
このタイプは、信じるべきではないと思います。

なんの根拠もありません。
確かめようもありません。
そして、話としては都合がよすぎるのではないでしょうか。
悪いのは遠いご先祖で、あなたのせいではない。
だから、ここで謝れば大丈夫。
弱っているときほど、そういう話に乗りたくなります。
でも、それで物事が解決するとは、私には思えません。

もう一つは、不安をあおる人です。
ご先祖が怒っている。
家に霊がいる。
そう言われて、安心する人はいないでしょう。
不安にさせておいて、自分のところで解決させようとする。
そういう占い師には、近づかないほうがいいと思います。

それから、占いとは関係のないことですが。
人としてどうか、というところも見たほうがいいと思います。
時間に遅れても謝らない。
相手を待たせても、気にしない。
そういう人の言葉を、大事な悩みの答えとして受け取っていいのか。
あの日の私は、鑑定の中身より先に、そこで引っかかっていたのかもしれません。

変な方向へ進まなかったのは

じつは、霊視の占い師を探し回っていたあいだも、いつもの占い師のところへは通っていました。
河原町の、同年代の女性の占い師です。

▶ 「奥さんは、心を閉ざしているみたいね」妻の気持ちを知りたくて占い師を訪ねた日|占い日記 #5

知らない占い師に会って、先祖だの霊だのと言われる。
そのあと、いつもの占い師のところへ行く。
話を聞いてもらううちに、頭が少しずつ落ち着いていきました。

今になって思えば、あの人がいたから、私は変な方向へ進まずに済んだのかもしれません。
もし、帰る場所がなかったら。
「一緒に謝りましょう」の先にあるものに、手を伸ばしていたかもしれない。
そう考えると、少しこわくなります。

無理に探すのは、やめた

結局、信頼できる人には出会えませんでした。
何人会っても、同じでした。

あるとき、ふと思いました。
出会えるときは、出会えるだろう。
無理に探すのは、やめよう。

探し回るのをやめると、気持ちが少し楽になりました。
妻の気持ちがわからないことは、変わりません。
それでも、誰かに答えをもらいに走り回るのは、もう終わりにしようと思ったのです。

誤解のないように書いておきます。
霊視の占いを、全部否定したいわけではありません。
前回書いたように、説明のつかない形で助けてもらったこともあります。
ストールさんのように、誠実な人もいました。

ただ、あのころの私は、妻の気持ちがわかるなら誰でもいいと思っていました。
だから、何人もの占い師のところを回ってしまった。
弱っているときほど、相手を見る目は曇ります。
今なら、そう思います。

占い師の言葉を聞いて、変だなと思ったら。
その感覚は、たぶん正しいです。
自分の頭で考えることだけは、手放さないでほしいと思います。

次回は、ストールさんに言われた「視点を変えてみる」のヒントが見つかったのかを書こうと思います。

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